ハイインテンシティインターバルトレーニング(HIIT)の基本的なフレームワーク。

HIITという言葉を聞いたことはあるでしょうか?

HIITとはHigh Intensity Interval Training の略称で、高強度インターバルトレーニングと訳されます。

一般的にはジムなどの室内において、自重のエクササイズサーキット行うものがHIITとして広まっていますが(勝手な偏見?)、HIIT Scienceという組織が提唱するHIITはランニングやバイク、そしてスポーツのゲーム形式の練習(Small Sided Game; SSG)などを活用した高強度のインターバルトレーニングになります。

HIIT Scienceの詳細ページ

多くのスポーツ、特に球技は間欠的な運動を伴うことが多く、その体力を鍛錬するためにこのHIIT Scienceは非常に有効なフレームワークを提示してくれています。

例えば日本だと、JISS、国立科学スポーツセンターがこの手法を採用しているようです。

今回の記事ではHIITについて、その基本的な概念を紹介します。

高強度インターンバルトレーニングを構成する基本の三要素

Credit to HIIT Science

HIITの構成は有酸素タイプ(Aerobic)、無酸素タイプ(Anaerobic)、神経筋タイプ(Neuromuscular)からなる三つのカテゴリーを考えることから始まります。

有酸素タイプは、文字通り有酸素系のエネルギー代謝に基づく運動様式で、わかりやすいものだと同じペースで走り続けるジョギングなどをがあります。

一方で、HIITにおける有酸素系の運動は一定の休息インターバル(パッシブ及びアクティブ)を挟む、間欠的なランニングになります。

いわゆるLong Slow Distance; LSDのような有酸素運動とは形式が異なることをここではご理解いただければと思います。

次に無酸素タイプですが、これには800mや1000mなど、「ミドルパワー」と俗に呼ばれる(個人的には呼んでいません。厳密にはAnaerobic Power; 無酸素パワーとかLactic Power; 乳酸パワーとか?)ランニングや、繰り返しのスプリント、高強度の方向転換走を含むインターバルなど、解糖系に大きく依存したエネルギー発揮を伴う運動様式が含まれます。

最後に神経筋タイプですが、上記のようにスプリントや方向転換など、神経筋への大きな刺激を伴うものが該当します。例えば、繰り返し方向転換を行うシャトルラン走なんかはこの神経筋タイプに分類されます。

以上、三つの要素のうちどれをターゲットとするのか、どれとどれを組み合わせるのか、トレーニングの目的に応じて、選択・組み合わせを行うことから、HIITセッションのプランニングは始まります。

HIITを構成する三大要素から派生する、6つのHIITタイプ

Credit to HIIT Science (https://hiitscience.com/why-hiit-types-matter/)

以上に説明した、三要素の組み合わせで、全6タイプのHIITタイプを生み出すことができます。それそれのHIITタイプは以下の通り。

  • Type 1: 有酸素タイプ (Aerobic):文字通り有酸素ペースのインターバルです。強度としては低中強度で非常に活用の幅が広く、個人的にはとても重宝しています。フィットネス向上を目的とした通常のコンディショニングはもちろん、リコンディショニングの初期で、患部への負担をコントロールしつつ心肺機能をメインに負荷をかけたいときに、単純なContinuousなランニング(同じペースで長い時間継続的に走るもの)ではなく、こちらのタイプのインターバルを採用することも多いです。
  • Type 2: 有酸素+神経筋タイプ(Aerobic+Neuromuscular):代謝系としては有酸素系に該当し、かつハイスピードランニングや方向転換など、神経筋にストレスのかかる運動様式を取り入れたものになります。真っ直ぐなランニングだけではなく、方向転換を繰り返しながら有酸素ペースで運動を繰り返すタイプのHIITになります。Multi-Directionalな運動が多いチームスポーツなんかでは非常に重宝するHIIT タイプで私自身も選手のコンディショニング/リコンディショニングで頻繁に使っています。有酸素系に該当するので、無酸素系代謝にも頼った運動にならないようにスピードや方向転換の強度のコントロールが必要になります。
  • Type 3:有酸素+無酸素タイプ (Aerobic+Anaerobic):こちらは代謝系をフル活用したタイプのHIITになります。インターバルを用いて、無酸素解糖系のエネルギー生産に大きく頼った、非常に代謝的ストレスの高い運動を繰り返すのがこのタイプになります。一方で、切り返しやスプリントなど神経筋へのストレスは含まれていないのでこちらもリコンディショニングの初期中期には非常に有効なタイプのHIITになります。神経筋への刺激は少ないですが、代謝系に大きなストレスがかかるため、通常のコンディショニングでももちろん非常に有用なHIITタイプです。
  • Type 4:有酸素+無酸素+神経筋タイプ(Aerobic+Anaerobic+Neuromusclar):Type 3同様、代謝系に大きなストレスをかけるだけではなく、神経筋にも大きなストレスをかけるのがこのタイプのHIITになります。繰り返しスプリント(Reapted Sprint Training; RST)や多くのスポーツにおけるゲーム形式の練習がこのタイプに該当します(サッカーの4vs4のミニゲーム)。より競技特異的 (Sports-Specific)にコンディショニングが行えるので、チーム単位でのコンディショニングに最も頻繁に用いられる様式です。いわゆる、素走りではなく「スポーツの練習の中で走る」 というのがこのタイプに当てはまると思います。また、俗に言われる「乳酸が溜まる」系のトレーニングもこちらのタイプのインターバルになります。
  • Type 5: 無酸素タイプ+神経筋 (Anaerobic+Neuromuscular):スプリントインターバルトレーニング (Sprint Interval Training; SIT)や繰り返しスプリントトレーニング (RST)など、無酸素的代謝ストレスかつスプリントなど神経筋的にも大きなストレスがかかるタイプのHIITです。無酸素的代謝能力を高めるのに有効なHIIT様式になります。いわゆる「オールアウト」のトレーニングで、一回一回全力のパワー発揮が求められるので、肉体的にも精神的にも非常に負荷の高いトレーニングです。
  • Type VI: 神経筋 (Neuromuscular):高強度のストレング/パワートレーニングがこのタイプに当たります。神経筋の刺激のみであり、厳密には高強度インターバルトレーニングには分類されていません。

まとめ

以上、HIITの三大要素と、それらを組み合わせた6つのHIITタイプを紹介しました。

個人的にはターゲットとする代謝システムと神経筋的なストレスを加えるか加えないかという大きなフレームワークの中で、よりシステマティックにコンディショニングを考えることができています。

そういった意味で、この HIIT Scienceの考え方は非常に役に立っております。

書籍はもちろん、オンラインコースも提供されているので興味のある方は是非(何のインセンティブもありません。笑 アフィリエイトしてもらおうかな😂)。

残念ながら日本語訳は出ていませんが、AmazonでKindleバージョンも売っています。

尚、HIIT Scienceでは室内でのエクササイズによるインドアベースのHIITセッションも紹介されていました。個人的にはランニングやバイクトレーニングに応用することが多いですが、いろんな様式に応用が可能です(そういえば、バトルロープやメディシンボールのサーキット何かは私自身もよく使うことを思い出しました)。

Buchheit (2020)

次回は、HIIT Scienceでは”Weapon(武器)”と呼ばれる、タイプ別のHIITフォーマットについて紹介したいと思います。

Akira

Reference

Laursen, P., & Buchheit, M. (2019). Science and application of high-intensity interval training. Human Kinetics.

Laursen, P. (2019, May 18). Why the HIIT Types Matter: A Roadmap to Better Programming. HiitScience. https://hiitscience.com/why-hiit-types-matter/

Buchheit, M. (2020, March 19). High-Intensity Interval Training: The key strategy to maintain fitness during periods of reduced activity. Martin Buchheit. https://martin-buchheit.net/2020/03/19/high-intensity-interval-training-the-key-strategy-to-maintain-fitness-during-periods-of-reduced-activity/

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