リハビリからストレングスまで幅広く活躍するアイソメトリックトレーニングの分類

前回の記事ではアイソメトリックトレーニングについて、その概要を紹介させていただきました。

前回の記事。

今回は、多数あるアイソメトリックトレーニングの種類について、メジャーな分類から簡単に紹介していきたいと思います。

PIMAとHIMA。大きく二種類に分けられるアイソメトリックトレーニング。

Photo by Li Sun on Pexels.com

アイソメトリックトレーニングは大きく分けると以下の二種類に分類されます(Schaefer & Bittmann, 2017)。

  • PIMA: Pushing Isometric Muscle Action
  • HIMA: Holding Isometric Muscle Action

まずPIMAについて。

“Pushing”と呼ばれるように、固定されたバーや壁などの動かないものに対して一定の時間力を出し続ける (“Force Task”)のがPIMAと呼ばれるアイソメトリックトレーニングです。

PIMAだと何のことかわからないですが、簡略的に「アイソプッシュ (ISO Push)」と呼ばれたりします。

代表的なエクササイズとしては、IMTP (Isometric Mid-Thigh Pull)Squat ISO Push, Hip ISO Pushなどがあります。

IMTPの例 (Credit to athletic.collective)。動画ではリフティングストラップを使っていませんがストラップの使用がおすすめです。
Squat Isometric Holdの例 (Credit to Quinn Hennoch)。ラックの下にバーを押し付けてバーが固定された状態で筋力発揮を行います。バーに持ち上げられないくらの錘をつけて固定したり、スミスマシーンを使うことも可能です。
Hip ISO Pushの例 (Credit to Nathan Kiely)。こちらは錘でバーが持ち上がらないようにした上で、その名の通り股関節でバーを押し付け筋力発揮をしています。

アイソプッシュでは、実施者のIntent (どのくらいの強さでプッシュするかという”意図”)によってエクササイズの強度を調整することが可能です。

「マックスの8割くらいで」と言ったキューイングでも実施が可能ですが、フォースプレートがあるとマックスがどのくらいか、また一回一回の実施でどのくらいの割で筋力発揮ができているかが数値化できて非常に便利です。

フォースプレートを用いたIMTPの例 (Credit to Vald Performanece)。フォースプレートを使うとどのくらいの強度でエクササイズを実施しているかを視覚化したり、数値化することが可能です。

次にHIMAですが、こちらは自体重や錘に対して関節角度が変わらないように一定のポジションを一定の時間内キープする (“Position Task”) アイソメトリックトレーニングになります。

アイソプッシュに対して「アイソホールド (ISO Hold)」などと呼ばれることが多いです。

いわゆる「空気椅子」なんかは最もベーシックなアイソホールドエクササイズの代表例になります。

空気椅子をかっこよく、より専門的に聞こえるようにすると「スクワットアイソホールド」 などと呼ばれます。

アイソホールドといえば空気椅子(Credit to RETIO BODY DESIGN)。

そのほかにもたくさんありますが、SL Hamstring Bridge ISO HOLDSplit Squat ISO Holdなどがアイソホールドの代表的なエクササイズになります。

アイソホールドでは、自重のみにしたり錘を調整することによりエクササイズの強度を調整することが可能です。

自重からエクササイズの実施が可能で、リハビリの早い段階から導入可能です。

また場所を選ばないため自宅等でも簡単に行うことができます。

自重だからと言って侮ることなかれ。ホールドの時間を長くすればするほどエクササイズはキツくなります。

また、やり方によっては簡単に脚をパンパンにするまで追い込むことが可能です。

よくあるプランク系の体幹トレーニングなんかは、まさにアイソホールドに分類される種目です。

ケトルベルのチョップ/リフトを加えたSplit Squat ISOの応用版 (Credit to Mike Boyle Strength and Conditioning)
Single Leg Ankle ISO Holdの例 (Credit to Manchester United)。スミスマシーンで40kgの錘をつけてのアイソホールドを実施しています。

以下の動画のように、アイソホールドにもさまざまな種類があります。

単純なホールドから、脚の入れ替えが入ったり、目的に応じてもう少しバリスティックな動きを加えることも可能です。

Hip ISO Hold、Hip ISO Switch、Hip ISO Catchのバリエーション (Credit to Nathan Kiely)。
ISO Switchは個人的にすごく好きな様式です。

この辺りまで行くと、幾つもの記事が書けてしまうのでここまでにしますが、アイソメトリックトレーニングも本当に多くのバリエーションがあり、奥が深いです。

まとめ

  • アイソメトリックトレーニングは大きく分けて二種類に分類される
  • PIMAはアイソプッシュとも呼ばれ、動かないものに対して力を発揮する
  • HIMAはアイソホールドとも呼ばれ、自重や錘に対してスクワットなどの一定のポジションをホールド/キープしながら力発揮する

前回の記事で触れましたが、アイソメトリックトレーニングのメリットはその安全性と「低コスト」さにあると思います。

もちろん様式によっては筋肉痛が来ることはありますが (特にアイソホールド系)、それでもノルディックハムストリングに代表されるようなエキセントリックトレーニングなどと比べると、はるかにその可能性は小さいです。

何より、自重でできたり自分自身で強度を都度調整しながら行えるため、リハビリにおいても非常に有用なトレーニングツールだと思います。

もし興味がある人はSportsmithにてAlex Nateraがオンラインコースを出しているので受けてみてはいかがでしょうか(何度も言いますがスポンサーシップは受けておりません。笑 宣伝やらせて欲しいくらい推してます。)。

ではまた次回。

Reference

Schaefer, L. V., & Bittmann, F. N. (2017). Are there two forms of isometric muscle action? Results of the experimental study support a distinction between a holding and a pushing isometric muscle function. BMC Sports Science, Medicine & Rehabilitation, 9, 11. https://doi.org/10.1186/s13102-017-0075-z

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